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育成研修ブログ
OHI
こんにちは、しまぞえ歯科です🦷
先日、歯科衛生士の勉強会を行い、水上歯科クリニックの歯科衛生士である下田裕子先生に来ていただきました!
今日はその勉強会や下田先生の著書を拝読し学んだことの中の一つ、「OHI(口腔衛生指導)」についてお話しようと思います。
コミュニケーションをとるうえで必要なことは、言葉の遣い方や相手への伝え方、相槌の打ち方、相手の話を聴く力、会話を読み取る力です。
しかし、近年ではITの進歩でSNSでのコミュニケーションをとる機会が増えることにより、これらの能力を身につけることが難しくなってきているように感じます。
このような状況下で、いかにしてコミュニケーションを図るかがより良いOHIの実施につながります。
患者さんに自分の口腔内に興味を持ってもらう
歯周疾患に罹患している患者さんの多くは、自分の口腔内を「他人事」ととらえている場合が多いです。
そのような方に、「あなたは歯周病です、このままだと将来歯を失います」と説明しても、なかなか理解してもらえません。
歯周病は痛みを自覚しにくい病気なので、罹患している事実を伝えても患者さんに響かないことが多いです。
患者さんの理解がなければ治療がうまく進まなくなります。
そのため、自分の口腔内に興味を持ってもらうことが重要になります。
初診の際に口腔内写真を撮ります。そうすることで普段自分では見ることの少ない口腔内の状態を知ることができます。
そして患者さんに口腔内を説明する際は、手鏡や口腔内写真を使用します。その時にほとんどの患者さんは一番に歯を見ます。
歯の色や形、歯列を気にすることが多く、一番に歯肉を気にする患者さんはほとんどいません。
そうならないよう、「お口を見てください」ではなく、「歯肉を見てください」とどこを見てほしいかを具体的に伝えることが大切です。
多くの患者さんは歯に興味があっても歯肉には興味を持たないため、歯周病の進行に気付くのが遅れてしまいます。
まずは自分の口腔内について「他人事」ではなく「自分事」として捉え、興味関心を持ってもらうことが重要です。
セルフケアを充実してもらう
「歯磨きをしたことがない」患者さんはほぼいません。
どんなに歯周疾患が進行している患者さんでも歯磨きはしたことがあります。
それでも歯周疾患に罹患してしまう原因はプラークコントロールの不良です。
まずはブラッシングの習慣を身につけてもらうことから始めます。しかし、患者さんの生活習慣を変えるのは容易ではありません。
そのため、私たちが無理ない程度で続けられることから提案し、患者さんに寄り添う姿勢が必要です。
ブラッシング時の出血が怖い患者さんにブラッシングの説明を行っても実践に至らないことがほとんどです。
歯肉の腫れや出血、痛みがあると歯ブラシを当てるのを避けてしまいます。
そのような患者さんには転んで擦り傷ができたことを想像してもらいます。
けがをしたらそのまま絆創膏を貼りますか?
ほとんどの患者さんは「水で洗う」と答えます。その状態を口腔内で想像してもらい、ブラッシングの大切さを理解してもらいます。
そして、なぜ出血しているか、なぜ腫れが引かないのかの説明につなげます。
補助清掃用具の説明
歯ブラシのほかにフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどの補助清掃用具があります。
多くの道具を使用することでプラークコントロールがよくなると思う方もいます。
しかし、道具を増やすと主体である歯ブラシでのブラッシング時間が短縮されてしまう可能性があります。また、新たな道具を増やしても患者さんが使いこなせなければ意味がありません。患者さんの中には使用が面倒になり、洗面台に放置している場合も少なくありません。
なので、まずは歯ブラシ1本でできるだけ時間をかけて磨くことを説明します。
そして、ブラッシングに意欲的に取り組むようになったら補助清掃用具を説明します。
補助清掃用具の使用により、PCR(プラークコントロールレコード)が下がることが理想的です。しかし、すべての患者さんにそれを求めることは難しいです。
そのため、患者さんの生活習慣やテクニックを考慮し、その方に何が必要かを私たちが考えることが大切です。
治療にはゴールがありますが、メンテナンスにはありません。
治療直後の状態を維持するために必要なのは歯科でのメンテナンスと患者さん自身によるセルフケアです。
この医院に長く通院したい、この先生、歯科衛生士に診てもらいたいと思っていただけるようなファン患者を増やせるよう、患者さんにできるだけ負担をかけず、続けられるOHIを行うことが重要になります。
私たちも多くの患者様に「この医院に長く通院したい、この先生、歯科衛生士に診てもらいたい」と思っていただけるよう精進してまいります!
