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むし歯じゃないのに歯が溶ける⁉「酸蝕症」とは?

みなさん、こんにちは!しまぞえ歯科です🦷
「歯が溶ける」と聞くと、多くの方がまず”むし歯”を思い浮かべるのではないでしょうか?
ところが、最近では、むし歯ではないのに歯が溶けてしまう”酸蝕症(さんしょくしょう)”というトラブルが幅広い世代で増えてきています。
健康や美容に良いとされる飲み物・食品が、実はあなたの歯にじわじわとダメージを与えているかもしれません。しかも、痛みが出にくいため気付いた時には進行しているケースも…
今回は酸蝕症とはどんな症状なのか、むし歯との違い、原因となる意外な食べ物、そして予防のポイントまで分かりやすく解説します。
今のお口の状態に不安がある方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
〈酸蝕症とは?〉
皆さん酸蝕症を聞いたことがありますか?
酸蝕症(さんしょくしょう)とは、酸によって歯のエナメル質や象牙質が溶けてしまう病気です。
通常、歯の表面はエナメル質という硬い層で覆われていますが、このエナメル質が酸にさらされると徐々に溶けて薄くなり、歯にダメージが蓄積されます。

〈むし歯と酸蝕症の違い〉
むし歯の原因は細菌感染です。歯垢(プラーク)内のむし歯菌が糖分を分解し作り出す酸によって、歯が溶けはじめます。
進行すると部分的に歯に穴が開き、痛みが出ることもあります。
一方で酸蝕症は、細菌が原因ではありません。歯が酸に触れ続けることで、歯面全体が広範囲で溶け出します。
進行すると象牙質がむき出しになり、知覚過敏が起きやすくなる病気です。
痛みが出ることが少なく症状に気づきにくいことが多いです。
気が付いたときには重症化していることがあります。
従来は、歯の2大疾患(虫歯・歯周病)の予防として歯磨きが第一でしたが、酸蝕症はきれいな口腔内でも発症する可能性があります。
また、虫歯の場合は乳歯・永久歯交換期や歯根露出期など、発症しやすい年齢が挙げられます。
しかし酸蝕症の場合、発症の原因は酸性飲食物の過剰摂取、薬剤、職場環境など多岐にわたるため、小さなお子様から高齢者の方まで、幅広い世代にリスクがあると言われています。

〈歯と酸の深い関係〉
みなさんはpHという言葉をご存知ですか?
pHとは、酸性・中性・アルカリ性の度合いを示す単位です。
中性はpHが7の状態で、数字が小さくなるほど酸性に、数字は大きくなるほどアルカリ性になります。
通常の口の中のpHは7で中性の状態です。
しかし、pHが5.5以下になると歯の表面のエナメル質が溶け始めます。
しかし、酸をとるのをやめると唾液の中和作用によって再石灰化を起こして再び固まり元に戻ります。
〈酸蝕症の主な原因とは?〉
酸蝕症は、かつては職業病として知られていました。特にメッキ工場やガラス工場で働く人々が、酸性のガスを吸い込むことで発症することが多かったのです。しかし、現代ではこの状況は大きく変わり、酸蝕症は主に生活習慣に起因する病気と考えられています。特に、酸性の飲食物を過剰に摂取することが、酸蝕症の大きな原因となっています。
原因は大きく内因性と外因性に分かれています。
内因性
胃食道逆流症、摂食障害
胃酸→pH1〜2(強い酸性)
外因性
酸性の飲食物(炭酸飲料、スポーツ飲料、ワイン、お酢、ビタミンCなどのサプリメント、柑橘系の果物など)
〈特に注意したい酸性食品と飲料〉
①炭酸飲料

コーラ→pH2.3〜2.6
サイダー→pH3.0〜3.3
②フルーツジュース

オレンジジュース→pH4.0
アップルジュース→pH3.5〜4.0
③酸性のフルーツ

レモン→(pH2.1)
オレンジ→(pH2.8)
グレープフルーツ→(pH3.2)
ミカン→(pH3.6)
プラム→(pH2.8)
イチゴ→(pH3.6)
ブルーベリー→(pH3.2)
パイナップル→(pH3.3)
④アルコール飲料

赤ワイン→pH2.5〜3
ビールpH4
酎ハイpH2.5
⑤その他

お酢→pH2.6〜3.3
梅干し→pH1.9
これらの飲み物・食べ物ををよく摂取している人は、酸蝕症の危険があるということになります。
普通に飲む分には短時間なので、ごく少量しか溶けず、また再石灰化するので心配はありません。
問題となるのは、長時間とり続けた場合です。
1日中、酸の食品を飲み続けたり食べ続けたりすると、大量に歯が溶けてしまい、再石灰化が間に合わなくなってしまします。
特にお酒は酸性なだけではなく、飲む場合の多くは長時間にわたることが多いので、その飲み方に問題あるとされています。
また、酸性のもの中には、酢や梅干しなどのように健康に良いとされているものや、レモンなどの柑橘系の果物やビタミンCなどは、リフレッシュになったり美容によいとされたりすることが多いので、歯に悪いと気づきにくいことも問題です。

〈酸蝕症による歯の症状とは〉
- 熱い飲み物や冷たい飲み物がしみる
- エナメル質が薄くなることで象牙質が透け、歯が黄ばんで見える
- 被せ物や詰め物が外れやすくなる
- 歯の角が丸みを帯びて見える
- 歯の先端が薄く透けて見えたり、欠けたりする
- 歯の表面がくぼんだり、穴が開いたようになる
〈日常生活で気をつけたいこと〉
①酸性のものをだらだら食べたり飲んだりしない
②酸性のものを摂った後はお水で口をゆすぐ
③就寝前に酸性のものを控える
〈まとめ〉
酸蝕症は、むし歯とは異なり細菌によるものではなく、酸性の食品や飲み物、生活習慣によって静かに進行する病気です。しみる・黄ばむ・溶けるといった症状が気になる方は、早期発見・早期対策がカギです。しまぞえ歯科では、酸蝕症の予防や治療はもちろん、お一人お一人の生活スタイルに寄り添ったアドバイスも行っています。ぜひ予防歯科や当院についてもご覧いただき、お口の健康を守る第一歩を踏み出しましょう。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください👐
監修者情報

しまぞえ歯科 院長
島添 崇暢Takanobu Shimazoe
- 略歴
- 九州歯科大学卒業後、同大学附属病院にて研修を修了。医療法人勤務を経て、2021年に福岡県古賀市で「しまぞえ歯科」を開院。
- 専門・監修分野
- 予防歯科を軸に、小児歯科・矯正歯科に注力。精密な資料採取に基づき、正確な治療計画を立案しています。さらに、口腔から全身の健康に至るまで将来を見据えたアドバイスを行い、医院理念である「予防で育むカラダの健康」の実現に取り組んでいます。
- メッセージ
- 健康は失って初めてその大切さに気づくものです。だからこそ、手遅れになる前に患者さまへ啓発を行い、日々その重要性を感じていただけるよう努めています。
「しまぞえ歯科」は、健康な方がより健康であり続けるための、明るく前向きな歯科医院でありたいと考えています。
